ホーチミン市発のトイレ付きの長距離バスに乗ってアンザン省へ行った話

ベトナム西部のカントー市やアンザン省に興味はあるけど、長距離バスはトイレが心配!という方に朗報です。ホーチミン市発のトイレ付き長距離バスを体験してきたので、シェアしたいと思います。

簡単な自己紹介

誰が書いたの?

シンチャオ!筆者のあらふねです。私は、ホーチミン市人文社会科学大学ベトナム学部に在籍しながら、ベトナムやアジアのローカルグルメなどを紹介するこのブログを書いています。YouTubeチャンネル「お皿の上のアジアch」とも連動していますので、是非ともチャンネル登録もお願いします。

どうして書いたの?

背景としては、大学の研修旅行で、どうしてもアンザン省に行かなくてはいけないということになりました。過敏性腸症候群(IBS)のあらふねとしては、参加はしたいけど長距離バスは無理だ・・・と、半ば諦め掛けました。しかし、卒業がかかっていますから、ベトナムのトイレ付き長距離バスに関する情報を必死に集めてました。そして、ようやく見つけたんです!同じ病気で苦しんでいる方の参考になればと思って、記事にまとめました。

運営会社について

私が今回利用したバス会社は、リエンフン(Liên Hưng)という会社です。ベトナム中部ニャチャンからカンボジアの国境アンザン省までを結ぶ長距離路線を運行しています。バスの車両は、THACOというベトナム産の車両を使用しています。

チケットの予約サイト

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チケットの予約は、Vé Xe Rẻ(日本語:安い車のチケット)という格安チケット予約サイトを利用しました。ベトナム語と英語を選択できます。また、スマホのアプリでも簡単に予約できます。

おそらく、ホーチミン市内にあるオフィスに直接出向いて予約することもできると思いますが、以下の4点がこのサイトを利用する決め手となりました。

1、トイレ付きのバスという条件検索ができる
2、日本のクレジットカードで決済できる
3、座席指定も可能
4、ホーチミン市内のバスの停留場所を選べる

予約方法

トイレ付き長距離バスの検索方法

ウェブサイトにアクセスしたら、まず出発地・目的地・日付を選択して検索をします。基本的に省(日本でいう都道府県)の名前で検索することになりますが、同じ省内でも複数の停留所がありますので、注意が必要です。

更に、絞り込み条件の「Bus type / Xe loại」の中に「VIP cabin bus with WC」という選択肢があれば、その区間にはトイレ付きのバスがあるということになります。

トイレ付き長距離バスを保有するバス会社

・リエンフン(Liên Hưng)ニャチャンからアンザン省を結ぶ/ニャチャンからカントー
・ティエンオアン(Tiến Oanh)ホーチミン市からダラットを結ぶ
・タンクアンズン(Tân Quang Dũng)ホーチミン市からダラットを結ぶ
・ロンヴァン(Long Vân Limousine)ホーチミン市からダラットを結ぶ/ハノイからダナンを結ぶ
・ディンニャン(Đình Nhân)ホーチミン市からダナンを結ぶ
・HKバスライン(HK BUSLINES)ハノイからホイアンを結ぶ/ハノイからサパを結ぶ

Vé Xe Rẻから得た2025年3月時点の情報

運賃とキャンセル

運賃とスケジュールと保険

運賃とスケジュールは、以下の通りです。

【往路】ホーチミン市からアンザン省ミーアンまで
25:30発・4:00着で、所要時間は3時間半
300,000ドン(約1,765円)

【復路】アンザン省ロンスエンからホーチミン市まで
13:15発・19:00着で、所要時間は5時間45分
250,000ドン(約1,471円)

任意の保険加入は、20,000ドン(約118円)です。クレジット決済するとバスのチケットと同時に、SALADINという保険会社から保険証書がEメールで送られてきます。

運賃は、日本で発行したクレジットカードで決済可能です。カード利用の手数料はかかりません。

キャンセルポリシー

決済後、出発当日の8時間前までは、10%のキャンセル料でキャンセルが可能です。4時間前までは30%のキャンセル料で、それ以降は全額がキャンセル料となります。

バス停留所から乗車まで

停留所の場所

ここからは、乗車当日の体験談です。まず、バスの停留所のホーチミン市12区にある「Z11」という名前のガソリンスタンドに向かいました。タンソンニャット空港から北西におよそ10kmの場所にあります。この場所は、日本の関東でいう外環の美女木ジャンクション付近のような場所です。要は、ホーチミン市中心部からかなり遠いということです。

ベトナム語での電話連絡

出発時刻の1時間前、深夜0時頃に「もうZ11のガソリンスタンドに着いたか?」とベトナム語で電話がありました。「もうすぐ着く」と伝えたら切られました。外国人であっても、英語対応は一切してもらえないと思ってください。また、スタッフは働き者ですが、日本人が思うバスの添乗員の応対とは違うと思っていてください。

スタッフとは、SMSを送受信できます。いざという時は以下のメッセージをコピペして、ご利用ください。「もう着いた=Mình tới Z11 rồi.」や「あと10分後に着く=Mình sẽ tới Z11 trong 10 phút nữa.」を送信するといいと思います。

Z11はトイレ以外何もない

 

Z11は、ただのガソリンスタンドです。ですので、バス会社のスタッフは駐在していませんし、案内板などもありません。トイレは利用可能です。ガソリンスタンドの前でたむろしているおじさんたちに「ここで合ってる?」と聞いたら、おじさんが「合ってるよ。」と優しく教えてくれました。ありがとう、おじさん!

当日の最大の注意点

当日に最も注意すべき点は、出発時刻の30分前には指定された停留所に到着してください。なぜなら、バスが早く到着してしまう可能性があるからです。実際、あらふねの場合、バスの到着が予定時刻の20分前でした。もし、少しでも遅れていたら普通に置いていかれたじゃないかな?と思います。

バス会社からの案内を確認したら、30分前に停留所で待つよう書かれていました。ちなみに、乗客は出発時刻の1時間前からバスの位置情報をアプリで確認することができるようになります。こういった情報を上手く活用して、乗り遅れないように気を付けましょう。

乗降時はバスの乗り間違いに注意

バスに乗り込む際、スタッフはチケットの確認をしません。しかも、我々乗客を乗せて、すぐ出発してしまいます。ですので、違うバスに乗ってしまうというハプニングも起こり得ると思います。

バスに乗ったら、このチケットで合ってる?と念の為にスタッフに確認しましょう。

車内の様子

シート

今回あらふねが乗車した車両は、二階建てベッド仕様2×2×2の32席の車両です。運転席以降は、土足禁止です。ベッドのリクライニングは、180度のフルフラットではなく160度くらいです。圧倒的に、下の段のベッドの方が人気だそうです。

各ベッドは、カーテンで仕切られています。他の乗客の話し声やスマホの音がうるさかったりしますので、耳栓を持参するといいでしょう。エアコンは、体感25度くらいかな?と思いました。冷え性のあらふねが身構えていたよりは、寒くなかったです。

尚、バス会社のリエンフンは、2×2の21席の車両も保有しています。こちらの車両は、主にホーチミン市からカントーまでを結ぶ路線で使われています。

トイレ

車内のトイレは、清潔感のある水洗トイレです。トイレットペーパーも洗浄用のホースも設置されています。トイレのドアを開ける際に、ドアの取手をひねってかなり強く手前に引っ張らないと開かないので、その点はご注意ください。ドアが半開きになって、臭いが外に漏れないようにするための対策なんだろうと思います。また、エンジンが切れると照明と水洗機能も停止してしまいますので、その点も知っておきましょう。

トイレの設置位置としては、窓側のA列の最後尾にトイレが設置されています。ですので、頻繁にトイレに行きたいという方は、A7かA9がおすすめです。

車内設備と喫煙

ミネラルウォーターと貸出のブランケットは、車内で無料で提供されます。電源は、USBとタイプCが利用可能です。なお、コンセントは使用できません。テレビ画面はありますが、何も放送されていませんでした。

もちろん、Wi-Fiも完備で、バスのスタッフの電話番号(0911878XXX)がパスワードになっていました。スタッフに聞きに行くの面倒だったら、一度試してみてください。

車内は禁煙です。ですが、運転手?スタッフ?が窓を開けてタバコを吸っているようで、タバコの臭いがぷ〜んと漂ってくることが時々ありました。

実際に乗ってみた感想

時間がかかる

リエンフン(Liên Hưng)のロンスエン〜ホーチミン市線は、旅客と運輸の2つの機能を果たしているため、バスは停留所のガソリンスタンドなどで頻繁に停車します。そして、荷物の積み下ろしに結構な時間を要します。トイレが付いているので安心ですが、「エクスプレス運行」という訳でないようです。よって、想定よりかなり時間かかるなという印象を受けました。

案内が少ない

サービスエリアに停まった際、「何分後に出発します。」などといった案内はありませんでした。そして、スタッフたちは乗客を置いて、そそくさと降車してご飯を食べ始めました。乗客同士、「降りていいの?」みたいな会話を交わして、みんな半信半疑で降車しました。結局、30分後にバスは出発しました。

他にも、指定した座席に乗客がいたら、「あー、じゃぁこっち座って!」と面倒臭そうな顔で、別の座席を案内されました。こういった必要最低限の案内もスタッフがしてくれない点は、残念に思いました。しかし、これはサービスに対する文化の違いと割り切った方が良さそうです。ベトナムでは受動的ではなく、能動的にサービスを受けるように心掛けましょう。

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まとめ

今回、ホーチミン市発リエンフン(Liên Hưng)という会社のトイレ付き長距離バスを体験してみて、コスパと車内設備にはおおよそ満足できました。やはりいつでもトイレに行けるという安心感は、旅行中の精神衛生において、個人的にはとても重要だと思います。

ただ一方で、外国人観光客が利用するには、以下の2点においてハードルが高いなと思いました。

1、バスは深夜にホーチミン市12区から出発する
2、スタッフの案内がベトナム語の上に電話のみ

バスの運行会社としても、外国人観光客の利用を念頭においていないため、仕方のないことだととは思います。しかし、Google翻訳などを活用して案内するなどのサービスを展開してもいいのではないかな?と思いました。次回は、同じリエンフンのトイレ付き長距離バスでカントーに行く予定です。次回の体験談もご期待ください。

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